情報通信システム事業

デジタル防災無線システム
開発プロジェクト

総務省の指針によりデジタル化が促進

前川 忠 写真

前川 忠
Maekawa Tadashi
防災システムプロジェクト
統括部 統括部長

「未曾有の被害が出た東日本大震災を機に、防災無線システムのデジタル化が急がれました。被災地にも足を運びましたが、身が引き締まる思いでした」前川は説明する。

総務省による電波法の改正を受け、自治体が新設する防災無線システムはデジタル化が推奨されることになった。
富士通ゼネラルは震災以前からデジタル無線システムを手掛けており、その技術が必要とされた。

「甚大な被害を受けた宮城県石巻市でも、デジタル防災無線システムの導入が議会で承認されました」
山田も現地へ赴き、デジタル化計画を策定した。

「市内のどこに中継局を置くかは無線ネットワーク構築に重要な要素。通信が確実に届く場所ではないと役目を果たしません。地図をもとに机上で何度もシミュレーションしますが、現地に行ってみると土地の形状が変わってしまいました。地面があるはずの場所が津波の影響で海になっていたり…」

山田 訓弘 写真

山田 訓弘
Yamada Kunihiro
システムサポート統括部
システムサポート部
担当課長

災害から一人でも多くの命を守りたい

篠崎 吾朗 写真

篠崎 吾朗
Shinozaki Goro
情報通信ネットワーク事業部
第一開発部
担当課長

一方、開発の篠崎は技術的なポイントを解説する。

「防災無線システムはインテグレーション技術であるため、開発側には『システム構築』が求められます。
また防災無線を実際に操作する人は市役所の災害担当というケースが多く、決して通信の専門家ではありません。
ユーザインターフェースにもこだわり、モニターのタッチパネル方式で誰でも操作できるシステムを開発しました。」

石巻市の「防災無線システム」は2013年、計画通りに納入され、現在も稼働中である。

中継基地は市内に6か所。市内全域を各日にカバーしている。

「災害から一人でも多くの『命』を守ることができれば、これほど嬉しいことはありません」

全員が力強く声を揃えた。